<遺伝子をオンにするとは①>2023.5.14

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筑波大学名誉教授 村上和雄氏~生命(いのち)の暗号・サムシング・グレート~後編【インタビュー】 KAZUO MURAKAMI

 

筑波大学名誉教授 村上和雄著『どうせ生きるなら「バカ」がいい』水王舎より

こんなことを言うと驚く人もいるかもしれませんが、じつは私たちの体というものは、老化しても遺伝子そのものは基本的に歳をとりません。

歳をとると体が弱って病気がちになると言われますが、それは遺伝子が老化したからではないのです。

 

そもそも、私たちの体では、遺伝子情報に書かれていないことは起こりません。

つまり、病気という現象も遺伝子が引き起こしているのです。

もちろん、そこには環境因子も関係していますが、99・5%同じ遺伝子を持っている人間同士でも、同じ環境にいて病気になる人とならない人がいます。

それは、病気を引き起こす遺伝子がオンになっているか、オフになっているかの違いなのです。

 

遺伝子のオン/オフは、その人の生き方、考え方が大きく影響していると考えられています。

日本人の死因の上位を占める「がん」も、ステージが末期に進んでからでも、生きる力を取り戻せる人とそうでない人がいます。

そこでは「気の持ち方」を含めた生き方や考え方によって、遺伝子のオン/オフが どのように働くかが大事になってくるわけです。

つまり「病は気から」という言葉は、まさに真実なのです。このことに関して、象徴的な例を紹介しましょう。

ある不眠症の男性が、医師から睡眠薬を処方されました。

そこで医師から、「この薬は一回に5錠までです。それ以上一度に服用すると、体の調子を崩します」という指示を受けました。

しかし、この男性はあるとき50錠もの睡眠薬を一度に飲んでしまったのです。

すると、やはり体調をくずし、あまりの苦しさで意識朦朧としながら救急車を呼び、通院していた病院に運ばれました。

そして、手当を受けていると、担当医がやってきてこう言ったのです。

「○○さん、じつは、あの薬の指示は私の間違いでした。あれは何錠飲んでも体には負担になりません」

その言葉を聞いた男性は、びっくりして、とたんに元気を取り戻し、そのまま歩いて帰ったというのです。

 

自分はもうダメだ、と思ったら本当にその通りに具合が悪くなる。

自分は大丈夫だと思ったら、なぜか具合がよくなる。

「病は気から」というのは“気のせい”ではありません。

実際に自分が事実をどう受け取るか、どう感じるかによって、病気の遺伝子をオン/オフしているのです。

 

また、日頃から何かにつけて「自分はダメだ」と自分に対して否定的な生き方、考え方をしていると、いい働きをする遺伝子がオフになり、病気の遺伝子がオンになってしまいます。

それは本当にもったいないことです。

思い込みでもいいので、「自分は大丈夫」「生 きているだけで丸儲け」とバカになって信じてみてください。

それだけでも、きっと自分の内側から元気になっていくのを感じられるはずです。

 

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