体調が不調で病院に行くと「ストレスが原因ですね」といわれるほど、私たちの心と体の健康は相関関係があるといわれています。
医学の世界では、悲しみや怒りなどの波動の数値の低い(一般的にネガティブと呼ばれている)感情は,血圧を高めたり,心拍数を増加させ,この状態が続くと体に悪影響をもたらし,心身症などの症状を引き起こすことが知られています。
ただ、ポジティブ感情の影響についてはあまり聞くことがないそうです。
喜びや安堵、幸福感等の波動の数値の高い(一般的にポジティブと呼ばれている)感情は,体にどのような影響を与えていると考えられているのかを探っていきたいと思います。
感情に関する心理学的研究では,これまで圧倒的にネガティブ感情が対象とされてきました。その主な理由は,ネガティブ感情とポジティブ感情の比率が約7:3とネガティブ感情のほうが多いことと、恐れは「逃走行動」に関係した感情であるというように,ネガティブ感情は「ある特定の行動と結びついている」場合が多いこと,
また何よりもネガティブ感情は自律神経系の乱れをもたらし,心身の健康に悪影響を与えることが報告されてきたことによるものと思われます。
これに対し,喜びなどのポジティブ感情は,その存在意義が明確でなく,あまり研究されてきませんでした。ところが,最近,ポジティブ感情を扱った研究が報告されるようになり,その結果,ポジティブ感情はある特定の行動と結びついているものではなく,
ポジティブ感情を経験することが、『創造力』をアップさせるといったように,ポジティブな思考が、行動の範囲を広げたり、能力を上げるといった人間の可能性を高めることがわかってきました。
また,ポジティブ感情には,ネガティブ感情によって高められた,嫌な気分や心拍率,血圧などの自律神経系の乱れを,素早く元に戻す元通り効果(undoing effect, Fredrickson & Levenson, 1998)といった機能があることも示されています。
つまり,わたしたちが逆境やストレスに直面したとき,その中にポジティブな意味を見いだすことで,思考や行動の範囲が広がり、いろいろなポジティブな状況を手に入れることを可能にし,
それがさらにポジティブな感情, 経験の機会を増やし、その結果として健康の状態を上げると考えられます。さらに,驚くべきことに,ポジティブ感情(たとえば笑いや楽観主義)がナチュラルキラー細胞の増加をもたらし,免疫力を高め,ガンの再発のリスクを減少させることや,不登校の子どもが吉本新喜劇を見に行ったのをきっかけとして,登校するようになった事例なども報告されています。
ポジティブ感情はネガティブ感情にとらわれていた状態からの抜け出すきっかけの役目を果たしているのではないかとも考えられるようになってきました。
昔から日本では、「笑う門には福来る」という言葉があるように、波動の数値の高い感情を持てることが、検討的な生活をしていくためにとても重要であるということですね。
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